• 2016年09月02日

「アンジュルム」新メンバー・笠原桃奈が新人なのに歌やダンスのレベルがいきなり高い理由

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今現在開催中の、ハロー!プロジェクトのアイドル総出演のライブ『Hello!Project 2016 SUMMER ~ Sunshine Parade ~ / ~ Rainbow Carnival~』。その初日(7月16日)の名古屋公演内で、アンジュルムの新メンバーとして12歳の笠原桃奈さんが加入することが発表されました。笠原さんは新人らしからぬ歌とダンスの力で、加入早々、先輩たちとともにステージで見事なパフォーマンスを見せました。笠原さんは「ハロプロ研修生」出身。その実力はここで磨かれたようです。

『ハロプロ研修生 公開実力テスト』で見事1位に

笠原さんは今年5月に行われたイベント『ハロプロ研修生  2016春の公開実力診断テスト』で、「ベストパフォーマンス賞」(事実上のグランプリ)を受賞しました。このテストは年に一回、ハロプロの研修生たちが日頃のレッスンの成果を発表する場として、東京・ 中野サンプラザで公開形式で開催。研修生たちが自分で選んだハロプロ楽曲をステージで披露し、審査員や観客に評価されます。モーニング娘。の『愛しく苦しいこの夜に』を歌った笠原さんは、しっかりとした歌とダンスの力、さらに12歳とは思えない色気で魅了し、観客の投票により同賞を受賞しました。

このイベントで一気に注目を集め、近いうちにハロプロ内のどこかのグループからデビューするのではと目されていましたが、今回のアンジュルム加入となりました。

「ハロプロ研修生」はモーニング娘。'16、アンジュルムはじめハロプロ内の最大勢力

「ハロプロ研修生」は笠原さんの“直属の上司”アンジュルム・リーダーの和田彩花さんや、モーニング娘。'16リーダー・譜久村聖さんらを輩出、アンジュルムやJuice=Juice、カントリー・ガールズなどのグループは研修生出身メンバーを中心に構成されていて、今やハロプロメンバー内では半数以上が「研修生」出身という最大勢力となっています。昨年末の日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞、新人ながら歌、ダンスともにスキルの高さで定評がある8人組・こぶしファクトリーも全員がハロプロの研修生出身です。

2004年にスタートした「ハロプロ研修生」の歴史

ハロプロ研修生の前身「ハロプロエッグ」は、未来のハロプロアイドルを育成すべく2004年にスタート。2011年から「ハロプロ研修生」と改称しています。メンバーは歌やダンスのレッスンを受けながら発表会公演や各種イベントに出演。実力や人気が認められるとデビューを検討されます。

ハロプロエッグ初期メンバーでは、現在女優として活躍する真野恵里菜さん、そして和田さん、福田花音さんをはじめ初期スマイレージ(現アンジュルム)メンバーがデビューを果たしています。

しかし有力メンバーがデビューして離脱していくとともに、2010年末頃からの人気メンバーも続々「研修過程を修了」していく中で、一度は「ハロプロエッグ」の勢いが失われていきます。その時代に研修を修了した中には現・アップアップガールズ(仮)のメンバーもいます。

そんな中、次世代で、のちにJuice=Juiceのメンバーとしてデビューする宮本佳林さんや高木紗友希さん、同じくこぶしファクトリーとしてデビューする浜浦彩乃さんらの活躍もあり、新生「ハロプロ研修生」が次第に盛り上がっていきます。

モーニング娘。オーディション復活でさらに活性化

また2010年からモーニング娘。の新メンバーオーディションが復活し、研修生からも工藤遥さん、小田さくらさん、牧野真莉愛さん、羽賀朱音さんの合格者を輩出。またスマイレージ(アンジュルム)も過去2回新メンバーオーディションを実施。それらのオーディションの参加者から、合格はしなかったものの優秀だった人材が研修生として加入するケースも増え、それによりルックス、実力ともレベルが上がり、研修生人気の上昇につながりました。発表会は先輩たちのライブに負けない盛り上がりを見せ、研修生のみで中野サンプラザやZeppが満員になるほど。人気の研修生には個々に熱心なファンもついています。

ハロプロ研修生が軒並みスキルが高い理由

現在のハロプロ研修生は11歳から19歳まで約20名が在籍。長年培われたノウハウに則った歌やダンスのレッスンを受けています。総合プロデューサーとして監修していたつんく♂さんは、現在はプロデュースやレッスンには直接タッチしていませんが、“リズムに乗ること”に重きを置いたつんく♂さんの指導方針は変わらないようです。

デビューを目指す研修生たちの、近いところの目標としては、次回の発表会公演で出番や歌割が少しでも多くなること。発表会の出演者を決めるためスタッフにより厳しい選抜が行われ、レッスンで成長が認められないと自分が歌える部分がなくなるので、みんな必死です。

また先輩グループのバックダンサーとしてライブツアーに帯同する機会も多く、実戦のステージを経験することはスキルの上達だけでなく、大観衆の前でパフォーマンスすることに慣れ大きな成長につながります。発表会の歌割やツアー帯同で同期や後輩に先を越されると、その悔しさからおとなしい子でも目の色が変わってくるといいます。その切磋琢磨もまた成長を促します。

厳しいレッスンや豊富な実戦経験、シビアな競争により、笠原さんに続けるような逸材がどんどん育っているハロプロ研修生。アイドル好きの人は今から注目しておきたい存在です。まずは9月に行われるハロプロ研修生の発表会公演をチェックしてみてはいかがでしょう。

文/田中裕幸